移動介助

【読み方:いどうかいじょ、分類:介助】

移動介助は、看護介護において、自分自身での移動が困難な患者や高齢者、障害者などの「移動」を助ける行為(介助)のことをいいます。

日常生活において、移動するという行為は、人が生活する上での基本的な動作であり、食事や排泄、衣類の着脱、入浴など、あらゆる日常行為に伴うものです。この基本である移動動作を介助することが「移動介助」であり、移動が人の生活の基本であることから、移動介助は身体介護の基本と言えます。

一般に移動介助を実践するにあたっては、その人の自然な動きを理解すると共に、その人の動きに合わせた適切な介助を行うことが必要です。

移動動作の種類と対応

日常生活の基本である移動動作には、「寝返る」、「起き上がる」、「立ちあがる」、「座る」、「歩く」の5種類があります。普段の生活の中での複雑な移動動作も、この5種類の組み合わせで構成されていることから、介護者は、その人の移動動作ごとの自然な動きを理解し、それに合わせた介助を行う必要があります。

移動介助のプロセスと視点

移動介助は、その人の状態に合わせて行う必要があり、以下のようなプロセスと視点で考えるようにします。

1.人の自然な動きと重心の動きをよく理解する
2.介助の手順をよく理解する(身体的・精神的な苦痛・負担が少ない、安全・安心な動きが可能、本人のペースに合わせた現有能力を活用)
3.移動時の転倒など介助の際の危険を予測し、事故を防ぐ