背に腹はかえられぬ

【読み方:せにはらはかえられぬ、分類:諺】

背に腹はかえられぬは、「江戸いろはかるた」の一つで、「背より腹」とも言い、さし迫った困難な事態(苦痛や苦境等)を逃れるためには、他を犠牲にすることもやむを得ないことをいいます。これは、五臓六腑がおさまっている大事な腹を守るためには、背中が犠牲になってもやむをえないことから転じたもので、大切なことのためには、時として多少の損害はやむを得ないという喩えとなっています。また、背を他者に、腹を自分自身に見立てて、切羽詰った状況では他を省みる暇などないという意味でも用いられています。

なお、本諺と似たようなものとして、「負うた子より抱いた子」や「苦しい時は鼻をも削ぐ」などもあります。