暦注

【読み方:れきちゅう、分類:暦注】

暦注は、暦本(こよみに関する書物)に記載される諸種の注記であり、に記載されている「年月日以外の事項の総称」をいいます。これは、暦に記載される日時・方位などの吉凶、その日の運勢などの事項のことを指し、日本で普及したのは、伊勢暦(江戸時代の代表的な暦)などの以後と言われ、具体的なものには、七曜二十四節気、月の朔望(満ち欠け)、潮汐(満潮・干潮)、日の出入り、月の出入りなど「気象学的なもの」と、日や方角の吉凶、干支、二十八宿、九星、六曜、十二直など「迷信的なもの」とがあります。また、暦注の日取りを決める方法を「撰日法」といいます。

一般に暦の上段には、日付・曜日・二十四節気などの「科学的・天文学的な事項」や「年中行事」が書かれ、中段には日々の吉凶を示した「十二直(建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉)」が書かれ、下段には選日(雑注)・二十八宿・九星・六曜などの「非科学的・迷信的な事項」が書かれていることが多いです。また、六曜については、日付の下や横に書かれることもよくあります。なお、暦注の中で、雑注は、六曜・七曜・十二直(中段)・二十八宿・九星・暦注下段以外のものの総称をいい、古来から、その日の吉凶を判断する(占う)ための特殊な性格の日柄であり、一般的には八専十方暮不成就日天一天上三隣亡三伏一粒万倍日犯土などを指します。