カンヌ国際映画祭

【読み方:かんぬこくさいえいがさい、分類:映画】

カンヌ国際映画祭(Festival International du Film de Cannes)は、「カンヌ映画祭」とも呼ばれ、フランス南部のコート・ダジュール沿いの都市カンヌで、毎年5月に開催される映画祭をいいます。これは、ベルリン国際映画祭ヴェネツィア国際映画祭と並ぶ、世界三大映画祭の一つで、また併設される映画の国際見本市も、MIFED(ミラノ国際映画見本市)、AFM(アメリカン・フィルム・マーケット)と並ぶ、世界三大マーケットの一つとなっています。

その歴史は、イタリアのファシスト政府(ムッソリーニ)の介入を受け、次第に政治色を強めたヴェネチア国際映画祭に対抗するため、フランス政府の援助のもと開催されるものになったものです。当初は、1939年から開催される予定でしたが、第二次世界大戦が勃発したため中止され、終戦後の1946年に第1回が開催されました。その後も、予算等の問題から、1948年と1950年に中止されるなど混乱がありましたが、1951年以降は映画祭として環境が整備され、世界最大級の国際映画祭へと成長していきました。

現在、世界三大映画祭と世界三大マーケットが同時に開催されるのは「カンヌ」だけであるため、毎年、世界中のマスメディアから多大な注目が集まると共に、世界中から俳優女優・映画製作者・バイヤーなども数多く参加します。また、期間中は、メイン会場を始めとした各映画館で様々な映画が上映され、さらに見本市では各製作会社によるブースでプレゼンやパーティなどが行われ、街全体が華やかな雰囲気に包まれます。

ちなみに、本映画祭の賞の対象となるのは、コンペティション部門に出品された作品のみで、また審査するのは、映画祭事務局によって選出された著名な映画人や文化人となっており、毎年、この審査団がどのような作品を選出するかが世界的に注目されています。

<主な公式な賞>

パルムドール(最高賞-映画作品)
・審査員特別グランプリ
・監督賞
・男優賞
・女優賞
・審査員賞
・脚本賞
・カメラドール(新人監督賞) 他