ミュージカル

【読み方:みゅーじかる、分類:概念】

ミュージカル(Musical)は、歌と台詞と踊り(ダンス)を中心に展開する音楽劇のことをいいます。これは、ユーモア、ペーソス(哀愁)、、怒りといった様々な感情的要素と物語を効果的に組み合わせ、全体として言葉・音楽・動き等の各種技術を統合したものであり、その種類には、全編を通じて一貫したストーリーが進行する「ブックミュージカル」や、ストーリーが特に無い「ブックレスミュージカル(コンセプトミュージカル)」などがあります。

一般にミュージカルは、ヨーロッパのオペレッタや英国のバラッドオペラあたりが源流とされ、また19世紀の米国で初期のミュージカルコメディーが生まれたのが実際の発祥と言われ、1920年代に爆発的な人気を博して一大エンターテイメントとして、その地位が確立されたそうです。通常、上演形式としては、一幕または二幕からなり、歌唱・楽曲・ダンス等の各要素の比率や構成には特に定まった形式はなく、レビューのように踊り中心のものから、ストレートプレイに近いものまで、様々な形式の作品があります。

現在、世界のミュージカルの中心地は、米国のブロードウェイであり、そこで大ヒットした作品はロングランとなったり、また世界各地で上演されたりすることもあります(米国以外では、英国のウエスト・エンドが有名)。ちなみに、世界的に有名でトニー賞を取った作品としては、「サウンド・オブ・ミュージック」「屋根の上のヴァイオリン弾き」「キャバレー」「コーラスライン」「アニー」「スウィーニー・トッド」「エビータ」「キャッツ」「レ・ミゼラブル」「オペラ座の怪人」「レント」「ライオンキング」「ヘアスプレー」などが挙げられます。

なお、ミュージカルと似たようなものに「オペラ(Opera)」がありますが、これは演劇と音楽によって構成される舞台芸術で、歌唱を中心に作品全体が主として音楽によって表現されてゆく劇となっており、その伴奏については、多くの場合、交響楽団規模の編成となっています。