馬耳東風

【読み方:ばじとうふう、分類:四字熟語】

馬耳東風は、他人の意見(忠言)や批評などを聞いても全く心に留めず(注意を払わず聞き流し)、少しも反省しないことの喩えをいいます。これは、中国の盛唐期の詩人(中国の最大の詩人の一人)である李白の詩「答王十二寒夜独有懐」の中の「世人之を聞けば皆頭を掉り、東風の馬耳を射るが如き有り」に由来します。

一般に人は東風(春風)が吹けば、寒い冬が去って暖かくなると思い喜びますが、一方で馬は耳をなでる春風に何も感動しないことから、それが転じて、他人の意見や批評を聞き入れず、心に留めようともしないことの喩えとなりました。なお、本用語と似たようなものとして、「馬の耳に念仏」、「犬に論語」、「牛に経文」、「蛙の面に水」、「柳に風」などもあります。

<本用語の使用例>

・今の党執行部は、党内の異論には馬耳東風だ
・そんな先人の警告も驕り高ぶった首相には馬耳東風なのだろう
・父は世間話には馬耳東風の無口な人で、まさに晴耕雨読の人格者だった