衣食足りて礼節を知る/衣食足りて栄辱を知る

【読み方:いしょくたりてれいせつをしる、分類:故事】

衣食足りて礼節を知るは、「衣食足りて栄辱を知る」とも言い、人は物質的に不自由がなくなって、初めて礼儀や節度に心を向ける余裕ができてくることをいいます。これは、中国古代の政治論文集である「管子(牧民)」において、「倉廩実ちて則ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱を知る」とあるのに由来し、人は生活が楽になれば、自然に道徳心も生じ、名誉を重んじ、恥を知るようになることを意味します。

なお、本用語と似たようなものとして、「富貴にして善をなし易く、貧賤にして功をなし難し」や「憂いも辛いも食うての上」、「恒産無き者は恒心無し」、「常の産なき時は常の心なし」、「礼儀は富足に生ず」などもあります。