禍福は糾える縄の如し

【読み方:かふくはあざなえるなわのごとし、分類:故事】

禍福は糾える縄の如しは、「吉凶は糾える縄の如し」とも言い、幸福(福)と不幸(災い)はより合わせた縄のように交互にやって来ることをいいます。これは、中国の前漢の武帝の時代に司馬遷によって編纂された歴史書である「史記(南越列伝)」の中の「禍に因りて福を為す。成敗の転ずるは、たとえば糾える縄の如し」とあるのに由来します。

その意味は、幸福と不幸は表裏一体であり、まるでより合わせた縄のように次々にやって来るもので、不幸だと思ったことが幸福に転じたり、幸福だと思っていたことが不幸に転じたりすることはよくあり、これより"成功も失敗も縄のように表裏をなして、目まぐるしく変化するものだ"という喩え(教訓)となっています。

なお、本用語と似たようなものとして、「浮世の苦楽は壁一重」や「沈む瀬あれば浮かぶ瀬あり」、「悲しみと喜びとは交互に相次ぐ」、「楽は苦の種、苦は楽の種」、「苦あれば楽あり」、「上り坂あれば下り坂あり」などもあります。