梨園

【読み方:りえん、分類:歌舞伎】

梨園は、演劇界(俳優の社会)を指し、特に歌舞伎役者の社会(歌舞伎界)をいいます。これは、中国の唐の第6代皇帝である玄宗の故事に由来し、元々は語源通り、梨(なし)の植えてある園を意味しました。(現在も農園では、この意味で使われる)

梨園

その昔、音律に詳しく法曲を好んだ玄宗は、太常寺坐部伎の子弟300人を選び、梨の木を植えた庭園で自ら教え、ひと声間違っても聞き分けて必ず訂正したそうで、この楽工たちを「梨園の弟子」と呼んだのが始まりだそうです。そして、明や清の時代には、この意味が転じて、役者や演劇の社会を指す言葉となったそうです。

なお、日本では、江戸時代に漢学者が演劇界のことを「梨園(りえん)」と呼んだのが始まりのようです。ちなみに、今日の世間的な歌舞伎界のイメージとしては、「一般社会の常識とかけ離れた特殊社会」として捉えられることが多いです。