手をこまねく

【読み方:てをこまねく、分類:概念】

手をこまねくは、「手を拱く」とも表記され、何もしないで傍観していることをいいます。これは、両手の指を胸の前で組んで敬礼するという中国の挨拶方法に由来し、それが腕組みをするになり、さらに転じて、何もせずに傍観しているという意味になりました。例えば、本用語は、「今回の事態に対して、政府も手をこまねいていたわけではない」というように使われます。

ちなみに、文化庁の2008年度(平成20年度)の「国語に関する世論調査」によると、本用語を正しい意味の「何もせずに傍観している」で使う人が40.1%、間違った意味の「準備して待ち構える」で使う人が45.6%という逆転した結果が出ており、意味の間違えやすい用語の一つとなっています。