「モツ」と「ホルモン」の違い

モツ・ホルモン

日本において、「モツ鍋」や「もつ煮込み」、「ホルモン焼き」など、鶏や牛、豚などの内臓を使ったものは、庶民的な肉料理として人気があります。これらの料理名の中に出てくる「モツ」と「ホルモン」は、とても似ていますが、一方でどこが違うのでしょうか?

ここでは、知っているようでいて意外と知らない、「モツとホルモンの違い」について、簡単にまとめてみました。

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モツとは

モツは、鶏や牛、豚などの内臓をいいます。これは、内臓を意味する「臓物(ぞうもつ)」の略で、日常的な料理では、ニワトリやウシ、ブタ、子ヒツジなどが用いられますが、その中でも、ニワトリがクセが少なく扱いやすいので広く利用されています。また、栄養面では、タンパク質の他に、ビタミンやミネラルなどの宝庫と言われ、特に肝臓は他の臓器より栄養価が高いです。

一般にモツは、部位によって、下ごしらえや料理内容が異なりますが、定番のものとしては、焼き串や焼き肉、煮込み、炒め物、たたき、ソテー、フライなどがあります。

ホルモンとは

ホルモン(Hormon)は、基本的な意味としては、生体の特定の器官(内分泌腺)で産生され、導管によらず、直接血液中に分泌され、離れた場所にある特定の組織または器官に変化を生じさせる物質をいいます。これは、肉料理においては、食用にする牛や豚などの内臓のことを言い、通常、狭い意味では、小腸や大腸などを指すのに対して、広い意味では、正肉以外の臓物肉全般を指します。また、内臓肉を焼く料理を「ホルモン焼き」と言います。

ちなみに、ホルモンの語源については、明治維新の頃に西洋医学の影響を受け、栄養豊富で活力がつくとして名付けられたとする説が有力のようで、一方でよく言われる、大阪弁の捨てるものを意味する「放るもん」は俗説のようです。

モツとホルモンの違いは

最後に「モツ」と「ホルモン」は、以上の内容から、基本的には、呼び方の違いだけで、同じものを指しています。

◎「モツ」と「ホルモン」は、鶏や牛、豚などの内臓全般を指すが、一方で「ホルモン」は、狭義には、小腸や大腸などを指すこともある。

◎地域により呼称が異なり、関東では「モツ」、関西では「ホルモン」と呼ばれることが多い。

◎料理名に関しては、「モツ」では、モツ鍋やモツ煮などが、「ホルモン」では、ホルモン焼きやホルモン炒めなどが広く定着している。

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